今日は中総体の決勝戦。応援に行こうかと考えていたのですが,外に出たとたん暑くて暑くてこりゃ死んでしまうと思い家の中に引きこもりました。
さて今回は,昨日話題となった日清戦争のお話。んで今回は教科書に書かれていないことについて紹介します。
領事裁判権の撤廃と日清戦争。これって指導する側が何も知らなかったら日清戦争と領事裁判権の撤廃は同じ年だから覚えとけってなるんですよね。実はその指導方法って最悪なんですよ。
だって領事裁判権の撤廃と日清戦争には切っても切れない関係があるのとともに,明治の政治家たちの外交能力も学べるんですから。
明治維新後の新政府の最大の目的は日米修好通商条約などの安政の不平等条約の不平等を解消することでした。有名なのは岩倉使節団ですね。まあやらかして失敗しますが。
新政府は不平等を解消するために富国強兵や欧化政策や憲法制定など,欧米に日本が文明国だと知らしめる必要(文明国と認めてもらうと不平等が解消される)がありました。しかし,イギリスをはじめ欧米諸国はなかなか日本を文明国と認めてくれませんでした。
このままでは日本は未来永劫文明国とは認めてもらえないのではないかと危惧していた時に転機が訪れます。それが日清戦争だったのです。朝鮮をめぐって両国は一触即発状態になります。当時の外務大臣である陸奥宗光はこのチャンスを生かそうとしました。
陸奥はイギリスに脅しをかけます。これから日本は清と戦争になる可能性が高い。ということは日本はいろいろと混乱するだろう。そのときに日本があなたたちがいうところの文明国ではないという見方なら,日本は日本にいる外国人に何をするかわからないだろう。しかし,あなたたちが日本を文明国だと認めると日本は全力で外国人居留地にいる外国人を守る,と。
この陸奥の交渉によってイギリスをはじめ欧米諸国は日本を文明国と認め領事裁判権の撤廃に応じます。ですから領事裁判権の撤廃と日清戦争は同じ年となるのです。
こういうことを授業するのが本当の歴史の授業だと思うのですが,こういった授業はなかなかされていないのが現実です。
自分も含め,指導する側がもっと勉強しないとダメですよね。
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