昨日今日であっという間に秋になりましたね。ことしの冬は暖冬予想だということですがどうなりますかね。去年一昨年とかなり寒かったので,今年こそはいい感じに暖冬になってほしいものです。
さて今回は,近衛文麿シリーズの最終話。前回は第二次近衛内閣が松岡洋右を更迭するために総辞職したということでしたが,実は第三次近衛内閣が発足したのは同日だったのです。すなわち1941年(昭和16年)7月18日。アメリカと開戦するため(ソ連を守るため)にここまでするかって感じです。
ぶっちゃけこの第三次近衛内閣はアメリカと開戦するための内閣としか思えない感じで,しかもアメリカと開戦やむなしとなったとたんに近衛はこの内閣を総辞職してほっぽり出します。日中戦争と同じく,どうしようもない状態になった時点で逃げ出したわけです。
それとこの内閣総辞職の裏にはゾルゲ事件というのがあります。リヒャルト・ゾルゲというドイツ人でありながらソ連のスパイが捕まりました。そして,この事件で捕まった日本人もいます。
それが元朝日新聞の記者であり,昭和研究会にも所属し,近衛文麿と仲良くまたブレーンの一人でもあったと言われている尾崎秀実です。実はこの尾崎秀実が「鬼畜英米」から「鬼畜米英」に変えたと言われています。敵はイギリスではなくアメリカだとの植え付けですね。
この二人を筆頭にゾルゲ事件関係者による人物たちによって,日本がアメリカと開戦せざるを得ない状況に陥らされたと言われています。この二人はスパイ容疑で死刑なるくらいですからね。実はこのゾルゲ事件の2日後に第三次近衛内閣は総辞職します。この二つの事柄が無関係というのはさすがに無理がありますよね。
開戦時には近衛文麿は和平交渉に力を注ぎ,近衛上奏文なるものを昭和天皇に上奏しますが,客観的に見て自分がやらかしたからだろうがとなりますよね。おそらくアメリカと開戦となって自分がやらかしてきたことへの重要性がわかったのではとも思えます。すなわち,自分は赤い悪魔たちに騙されていたということを。
終戦後,近衛文麿は戦争犯罪人として東京裁判で証人喚問を要求されますが,その直前に謎の服毒自殺をしてこの世を去ります。証言しちゃヤバいことが数多くあったのでしょうね。それとも,この人がいいお坊ちゃまにペラペラ喋られたらまずい悪魔たちの仕業だったりして。
ここまでかなり簡単に近衛文麿を紹介しましたが,こんだけのことをやらかしているのになぜか教科書や学校の授業では近衛文麿のことはほとんど扱われません。もしかして今でも生き残っている悪魔たちのDNAがそうさせているのでしょうか。
あくまで私的な感想ですが,近衛文麿って人がいいお坊ちゃまで,頭はいいが頭が切れるタイプではなかったのでないかと。その性質を赤い悪魔たちに見抜かれ,そそのかされ,そして利用された。ですから根っこからの悪人とはどうしても思えないのですよね。まあその心のうちは本人しか知りえないことですが。
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